お隣さんは裏アリ王子
「あいつ、キレてるな」


いつのまにか隣には、水瀬君が来ていた。


他のお客さんは見届けるつもりらしく、注文も何もしない。


「そうなの?」


「ああ。珍しいから俺もあんまり見たことないけど」


小声だけど、裏なのは水瀬君も驚いてるのかな。


「ああ?てめえ、なんなんだよ」


そう言った男の人に平然と如月君が言った。


「彼氏だよ。だから触るな」


と。


「くっそ。彼氏持ちかよ」


そうとわかるとその男の人たちは、出て行った。


「あ、ありがとう」


紗里奈がそう言うけど、如月君はまだ真剣な表情をしていた。


でも、さっきみたいな雰囲気はもうない。


「紗里奈、さっき言ったこと、事実にしたい」
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