お隣さんは裏アリ王子
〜圭side〜

イライラする。


そりゃ、好きな女が目の前で知らない別の男と話してたら苛立つ。


しかも、仲良いみたいだし。


「圭君、かっこいいね」


「ああ」


心のこもってない返事を目の前の相手に返す。


七海は、元カノってやつだけどもう未練はないし、気持ちはもう真奈にだけ向いている。


「真奈ちゃんとあの男の人、仲良いね」


「ああ」


正直、話すらも聞いてない。


「ねえ、一緒に文化祭まわろうよ」


「ああ」


七海は頭がいいって忘れてた。


「ほんと?やったー」


「え、何が?」


突然喜びだした七海をさすがに見る。


「今、圭君文化祭一緒にまわってくれるって言ったんだよ?」
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