お隣さんは裏アリ王子
そう言うと、すぐに水瀬君は家にあげてくれた。


「今、お湯張ってるからちょっと待っててね」


「ありがとう。実は、シャワーが水しか出なくて……」


「えっ、それって給湯器壊れてない?管理会社に連絡入れないと」


「あっ、ほんとだ。後で電話かけるね」


そう言うと、わずかな沈黙が流れた。


「ねえ、佐倉さんって料理できる?」


「え?まあ、一通りは」


「じゃあさ、お風呂のお礼ってことでご飯作ってくれない?材料はあるからさ」


「いいよ!」


何かお返ししなきゃと思ってたから、ちょうどよかった。


私はすぐにキッチンに立った。


こんな時間だし、簡単なものがいいな。


んー、焼きそばにしようかな。
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