お隣さんは裏アリ王子
その時ピンポーンとインターホンが鳴って、バッグを持って駆け足で玄関に向かった。


ドアを開けていたのは、もちろん水瀬君。


うう、かっこいい。


ただのジーンズにジャケットを着てて、その中には黒の服着てるだけなのにかっこいい。


「……」


私はここまで思ってるのに水瀬君からは何も言われない。


「変……?」


何か言って欲しい。


「いや……」


そう言うと、水瀬君はグッと私の耳に自分の口を近づけた。


「可愛い」


……っ。


水瀬君の声が頭の中でこだまする。


「ありがとう……」


返事に悩んで、そう言った。


「あ、あと、誕生日おめでとう」


「ありがとう!」


この言葉には、こう返事するしかないでしょ。
< 171 / 231 >

この作品をシェア

pagetop