お隣さんは裏アリ王子
すぐにアナウンスが流れて、イルカショーが始まる。


水しぶきを上げながら泳いだら、よくある高く掲げられたボールをタッチする。


「ねえ、すごいね!」


「ああ」


そう話しかけると、水瀬君も短い返事だったけど表情で楽しんでるのがわかる。


それからもイルカたちのいろんな芸を見て、イルカショーは幕を閉じた。


空を見て少し暗いと思ったら、もう夕方。


もう、終わりかな。


帰りたくないなあ。


1日誰かと一緒にいると、一人で寝るのが寂しくなる。


うーん、我慢するしかないのかあ。


「なあ、最後にあれ乗らねえ?」


水瀬君が指さしたのは観覧車。


実は、きた時からずっと気になってた。


「乗る!」
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