お隣さんは裏アリ王子
話しながら、焼きそばを作っていくとすぐに水瀬君がやってきた。


「美味しそう。いただきます」


んー、やっぱり違和感。


なんか、猫かぶってる感じ。


声も作ってる気がする。


「ねえ、水瀬君。遠慮しずに話してよ。私に敬語じゃなくていいって言ったでしょ?水瀬君も素で話して?」


そう言うと、彼は顔色を変えた。


焼きそばを食べていた手を止めて、こっちを真っ直ぐに見つめてくる。


「……真奈、わかんの?」


「えっ」


急に口が悪くなった。


「俺があれ演じてるってわかんのか?」


「い、違和感っていうか、無理してる感じだったから」


そう言うと、水瀬君は笑った。


見たことない意地悪な笑み。
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