お隣さんは裏アリ王子
「きゃっ」


突然抱きかかえられたかと思ったら、ベッドに落とされる。


「んんっ」


驚いたのもつかの間。


両手を頭の上の方で掴まれ、水瀬君の空いてる方の手で太ももを触られる。


声を出したいけど、唇を塞がれてて抵抗できない。


怖い……。


キスの仕方も、目も、手の動きも、全く別の人みたいに乱暴で強引。


瞳から涙が溢れた。


水瀬君の手で服を脱がされてるのがわかる。


「やだっ」


一瞬、唇が離れた隙に私はなんとか言った。


「なんで、泣いてんだよ」


焦ってるのか、怒ってるのかわからない声。


「水瀬君、別の人みたいだった……っ。怖かったの……」


必死の思いでそう言うと、水瀬君は申し訳なさそうに目を伏せる。
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