お隣さんは裏アリ王子
「へえ、わかんのか。まあ、いいや。どうせ隣に住んでたらバレるだろうし。なあ、誰にも言うなよ?」


そう言われ、私は頷いた。


「風呂、入ってこいよ。もう湯張れてるだろうし」


促されるまま、私はお風呂に入った。


あったかいお湯に浸かって、よくあったまってからお風呂を出ると、あることに気がついた。


私、パジャマ持ってきてない。


下着も……。


シャンプーもリンスもボディソープも持ってきたのに!


……どうしよう。


でも、いつまでもここにいるわけにはいかない。


意を決して私は身体にバスタオルを巻きつけて水瀬君のいるリビングまで向かった。


やけに露出された足が寒い。


「はい、はい……。ありがとうございます」
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