お隣さんは裏アリ王子
今日は、学校を休んだ。


お兄ちゃんに連絡しようかと思ったけど、もう何もしたくない。


だから、一日中布団にくるまって眠っていた。


窓を見れば、夕方。


少し体勢を変えるだけでもめまいがするから、ご飯の食べなさ過ぎなのがわかる。


その時、カチャッと鍵が開く音がして、そのままドアが開く音も聞こえてくる。


え、何?


不安になりながらも、どこか大丈夫って気がしてた。


「真奈……」


あっ……。


その人の顔を見た瞬間、涙が溢れた。


「水瀬君……っ」


「ど、どうした?」


急に泣き出すものだから、水瀬君は焦って私に問いかけてくる。


「水瀬君に、やっと、会えた……」
< 202 / 231 >

この作品をシェア

pagetop