お隣さんは裏アリ王子
「店、どこ?」


これだけ質問してくるってことは、嫌なんだろうな……。


店名を告げると、圭は頷いた。


「わかった、でも、迎えに行くから」


「えっ、悪いよ……」


「嫌なら、行くな」


そんなこと言われたら、頷くしかないじゃん。


「わかったよ……。あ、ご飯は作るね」


「よし、夕飯は適当に食べるから心配すんな」


適当、が一番心配なんだけど……。


「そんな顔すんなって。ちゃんと食べるから」


顔見て、考えてること当ててくるの、本当にやめて欲しい。


頭の片隅でそんなことを考えながら、日時も伝えてベッドに2人で寝転がった。
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