お隣さんは裏アリ王子
気持ちが入っていないのをバレないようにするためになんとか相槌を返す。


その行動は、すぐに後悔へとつながった。


「あ、2人で抜け出さない?」


「はい。……あっ」


何も考えずに返事をしてしまった。


話すら、聞いてなかった……。


「マジ?行こ!」


その後の言葉には、一切反応しずにその人は、私のカバンを掴んで私を立ち上がらせた。


「あ、あの、水葉ちゃん……」


一緒に帰らないと。


「大丈夫だよ。あっちも楽しそうだし」


みると、楽しそうにおしゃべりする水葉ちゃんがいた。


うう、どう言い訳すべきか……。


「あの、やっぱり……無理です」


私の手を引いてどんどん歩いていく彼に私の声は聞こえてない。
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