お隣さんは裏アリ王子
「真奈、ただの飲み会じゃねーのかよ」


怒ってる……。


「ごめんなさい……」


謝ると、周りの視線に気づいた圭が私を引っ張るように家まで連れ帰る。


一言も話してくれない圭にここまでの恐怖を覚えたのは久しぶり。


いや、初めてかもしれない。


「で、なんか言い訳ある?」


「圭だって、夜遅くに帰ってくること、あるじゃん」


怒られるのは、目に見えてるから最後の悪あがき。


「俺はちゃんと女がいねーの確認してから行ってる」


すぐに反論なんてできなくなった。


「はあ、今回は店が斗真がバイトしてるとこだったからすぐに行けたけど、俺があの場にいなかったらどうなってたと思ってんだよ」


「私も、知らなかったんだもん」
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