お隣さんは裏アリ王子
「へえ、二重人格みたいな?」


「いや、基本人を呼ぶときの呼び方で自分で切り替えてる。苗字にさん付けんのは、表の俺。苗字名前に関わらず呼び捨てが裏。


斗真だけは、どっちも呼び方一緒だから出来るだけ呼ばないようにしてる。


基本表しか見せない人には苗字にさん付ける」


あ、そうなんだ。


水瀬君って器用なのか不器用なのかわかんない。


「ふうん、結構意外。見破れる人、いないんじゃない?」


紗里奈は、意外って顔してない。


でも、驚いてるのはなんとなく雰囲気でわかる。


「俺もそう思ってた。でもこいつ、見破りやがった」


そう言って、彼は私を指差した。


「マジ、意味分かんね」


知らないよ、そんなの。
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