お隣さんは裏アリ王子
「それと、これもね」


予想外だった。


昨日のお昼ご飯の光景が見られてたなんて。


裏の水瀬君、バレてない?


「……その写真の通りです」


そう呟くと、その先輩は鼻で私のことを笑った。


「圭くん、笑ってくれたでしょ?優しくしてくれたでしょ。
でも、それはあの人の優しさ。みんなにあんな風なの」


口角は上がってるのに目が冷たい。


刺すような視線と冷たい声。


「でもね、自惚れないで。あんただけじゃないの。圭くんは、言わないだけで心の中では、嫌がってる」


お弁当も作れって言われたし、ご飯に誘ってきたのも向こうです、って言えたらどんなにいいだろう。


「だからね、これ以上、圭くんに絡むんじゃないわよ」
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