お隣さんは裏アリ王子
最後の言葉に悪寒が走った。


意地の悪い笑みと勝ち誇ったような声を残して彼女たちは、立ち去っていった。


「……戻らなきゃ」


しばらく立ち尽くしていた私だったけど、すぐに屋上を出た。


こんなことってあるんだな。


漫画とかだけだと思ってた。


「あ、真奈、手洗いに行くだけでどれだけ時間かかってんの」


教室に行くと、笑ってそう言う紗里奈がいた。


でも、目が笑ってない。


何があったのって、訴えかけてくる。


私は、紗里奈の手を掴んで人気のない図書館へやってきた。


「実はね……」


ことの内容を全て話した。


話してて気づいたけど、その日逃れてもあとから何か言われるだけだよね。


お昼ご飯、一緒に食べてもらってもあんまり効果がなかったみたいで申し訳なくなる。
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