お隣さんは裏アリ王子
「いいよ」


選択肢は、一つだった。


「行くぞ」


そう呟いた水瀬君に手首を握られ、走る。


走り出してから、後悔した。


水瀬君、めっちゃ足速い。


追いつけなくて、私はほとんど引きずられてる。


「はあっ、はあっ」


家まで着いて、上がった息を整える。


「はあ、うまくまけたな」


水瀬君は少し息が上がってるだけで、もう肩で息をしてしまってる私とは大違い。


「うん、ありがと」


「別に」


それから私たちはそれぞれの家に戻った。
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