お隣さんは裏アリ王子
「……っ」


蹴られた痛みだけで、良かったと思う。


骨が折れてたらって思うと、怖すぎる。


「水瀬君がそう言ったの?あなたが勝手にそう思ってるだけじゃない?」


そう言うと、会長さんは指パッチンをした。


……何?


そう思っていると、左右から手を掴まれて、2人の力で持ち上げられた。


驚いて足をばたつかせると、つぎは足をまた別の人に掴まれる。


「いやっ!」


思わず声を上げると、口にハンカチを詰められ声が出せない。


口の中な生地感が気持ち悪い。


私は縄で手足を縛られると胴上げ状態にされ、近くにある暗い体育館倉庫に入れられた。


「じゃあね。バイバーイ」


私をおろすと、会長さんがそう言って私1人残して体育館倉庫から出て行った。


カチャっと音がして鍵が閉められたのが分かった。
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