毒舌魔王の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】

……告発? 匿名?

「……は? いやいや、あいつがそんなことできるわけねーだろ。あのお人よしが過ぎて詐欺に遭いそうな人ランキング学校でぶっちぎり一位の成績も一位のクソど天然が」

俺の否定に、美結は首を横に振った。

「想、なんだよ。尚が故意に怪我させられたって気づいて、……想が、一人でやった」

……美結はまだうつむきながら言っている。

一人でやった、ということは、当然美結には知らせずにやったということだろう。

美結が知ったのは、ことが終わってから……。

想の口から聞いたのではなさそうな感じだな……。

「……うん、心配すんな。もう想にそんなことさせねえよ」

昔通り頭でも撫でてやりたいところだけど、ここで俺が美結に触れるわけにはいかないから言葉だけで伝えた。

――想は白い。ゆえに、黒ずみやすい。

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