毒舌魔王の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
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「今日、来ねえなあ……」
「こ、こんにちは~」
ドアの方を見てぼんやり呟くと同時に、そろりとドアが開いた。
……え。
「ご、ごめんなさいっ、こんなちょくちょくお邪魔してっ。誰か待ってた……?」
あんたを待ってた。
……なんて、言えるわけねえだろ……。しかも聞かれてるし……。
「い、いや、ひとりごと。新垣、今日も来てくれたんだ」
咄嗟に、板についた愛想笑いを浮かべる。
――新垣が初めてここへ来て以来、何回か俺のところへも来てくれていた。
最初は疑ったけど、家族が入院しているのは本当らしい。
詳しい病状まではさすがに聞けていないが、叔父さんだとか。
「新垣、俺んとこに来るの、ご家族には言ってるの?」
「うん。友達のところ行ってくるって。叔父さんはちょっと嫌そうな顔してるけど」
「えっ、それってマズいんじゃ……」
嫌な顔って……もしかして俺が新垣に不埒なふるまいをしていると思われているんじゃ……。
「今日、来ねえなあ……」
「こ、こんにちは~」
ドアの方を見てぼんやり呟くと同時に、そろりとドアが開いた。
……え。
「ご、ごめんなさいっ、こんなちょくちょくお邪魔してっ。誰か待ってた……?」
あんたを待ってた。
……なんて、言えるわけねえだろ……。しかも聞かれてるし……。
「い、いや、ひとりごと。新垣、今日も来てくれたんだ」
咄嗟に、板についた愛想笑いを浮かべる。
――新垣が初めてここへ来て以来、何回か俺のところへも来てくれていた。
最初は疑ったけど、家族が入院しているのは本当らしい。
詳しい病状まではさすがに聞けていないが、叔父さんだとか。
「新垣、俺んとこに来るの、ご家族には言ってるの?」
「うん。友達のところ行ってくるって。叔父さんはちょっと嫌そうな顔してるけど」
「えっ、それってマズいんじゃ……」
嫌な顔って……もしかして俺が新垣に不埒なふるまいをしていると思われているんじゃ……。