毒舌魔王の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
「あれ? 新垣さん?」
「あっ、お邪魔してますっ」
新垣、美結とは面識があると言っていたな。
笑顔を見せる二人。
美結の笑顔が向いた新垣をじとっとした目で見る想。
辛気くせーぞくそ天然。
「じゃあ、あたし失礼しますね。今日は弟が早く帰ってくる日だから」
「新垣さん、歩き?」
「うん、近いから」
美結に答えて、それじゃあ、と新垣は病室を出て行った。
「尚、いつの間に新垣さんと仲良くなってたの」
パイプ椅子に美結が座って、想が傍らに立つ。
「……仲いいか?」
「うん。険悪には見えない」
……険悪な奴の見舞いに頻繁に来る奴もどうかと思うけどよ。
安定の想の発言はスルーだ。
「別に。親戚が入院してるついでだって言ってた」
「あ、新垣さんが、じゃなくて、尚が女子と親しくするのをゆるすの、珍しいなあって」