毒舌魔王の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
いきなりの言葉に意味がわからず間の抜けた返事をしてしまった。
新垣の叔父さんはくすりと笑った。
「年相応な藍田くんは可愛らしいね」
「え……え?」
新垣の叔父さんは「じゃ、お大事に」と出て行ってしまった。
……くっそやられた~~~~っ。今の、明らかに俺が新垣に気があるってわかったからの言葉だよっ。人のよさそうな顔して人を食ったようなことしやがって~~~~!
「……なにしてるの、尚」
「み、美結っ、きっと見ちゃダメなやつだよ!」
「悔しがってただけだよ勘違いヤロウ!」
このボケ野郎、俺が頭抱えて右往左往してたのを見ちゃいけないモン扱いしやがった!
「ってか、大分歩けるようになったんだね」
ドア付近で平坦な目になっていた美結が気を取り直したように、鞄を抱えなおして入って来た。
右往左往つっても、ベッドの周りを手をつきながら歩いていただけだけどな。
「ああ、まあな。一応先生とか、お前らのスマホにも連絡いれたけど、三日後退院になった」