毒舌魔王の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
「決まったんだ! おめでと!」
「よかったな、尚」
ほっとした顔になる二人。
……そろそろかな。
「あと、復帰する前にお前らには言って置かなきゃなんねーんだけど」
さすがにこの足で歩き続けるのもしんどいから、一度ベッドに腰かける。
俺から切り出したからか、二人とも椅子も準備せずに「なに?」と訊いてきた。
「俺、部活には戻るけどマネージャーになることになった」
俺のいきなりの言葉に、ハトが豆鉄砲な二人。
「え……選手は諦めちゃうの?」
「そりゃ、リハビリはブランクになるかもしんないけど――」
……やっぱり、選手に復帰出来ると信じていたか、こいつらは。
「違う違う。俺、もう走れねーの。足の傷め方の感じでな、歩くのには支障ないけど、走るのは無理だって言われた」
「―――」
「………」
おいおい、お前らがそんな顔すんなよ。そんな……この世の終わりみたいな……。
「尚……」
「美結。……悪いな」