毒舌魔王の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】
「無理、しないでね?」
「俺の回収ってこういう意味だったの?」
それ以外に何があるか。お前ここにいたら出張ってくるだろ。
俺より背の高い想にでこぴんしてやる。
「頼んだわ」
苦笑混じりに二人に言って、今度は松葉杖だけで新垣ももとへ歩いた。
一歩一歩、近づいていく。
可愛いと思った子。
話していて楽しいと思った子。
優しいと思った子。
また、逢いたいと思った子。
「新垣」
呼びかけると、びくっと新垣の肩が跳ねた。
「どうした?」
「あ、藍田くんこそどうしたの? 友達来てたんじゃ……」
「新垣が逃げたから追いかけて来た」
「に、逃げてなんか――」
「困るんだよ」