毒舌魔王の可愛がり方。-六花の恋・外伝-【完】

「そうですか……部活の皆さん、藍田くんの帰り、待ってますね」

……笑顔で言う新垣の言葉に、後ろめたいものを感じた。

自分から誤魔化したんだから、本当のところを新垣が知っているわけもないのに。

「……新垣さんって、同い年?」

「はい。二年です」

「じゃ、お互い敬語やめない?」

「あっ、そうですね――じゃない、そうだね」

「うん。……新垣さんって、俺のこと知ってたの? そりゃ、女子と会場一緒になることもあったかもしれないけど……」

俺の問いに、新垣は大きく瞬いた。

「知ってるも何も……藍田くんたち、すごい有名人だよ? 近隣の中学の子ならほとんど知ってるんじゃないかな? 藍田くんと塚原さんと碓氷くん、毎回全国模試で上位常連だし」

「………」

それか。

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