独占欲全開なモテ男子と、幼なじみ以上になっちゃいました。



休み時間。


いつもなら机に伏せて寝てるはずの瑞月くんが、急にわたしを教室から連れ出して。


人通りがそんなにない、屋上に向かう階段のそばの廊下で。



真後ろは冷たい壁。

真横は瑞月くんの長い腕が壁についていて。

目の前はもちろん、瑞月くんがいて。


どこを見ても完全に逃げ場ゼロ。



ものすごい近くで瑞月くんがいる。

視界は瑞月くんのネクタイでいっぱい。


ちょっと顔を上げれば、わたしのことを見下ろしてる、ちょっと怒ってる瑞月くんの顔が見える。



「み、みつく……っ」


ぜんぶ呼べなかった。

さらっと塞がれた唇。


触れただけなのに、唇に熱が集中してジワジワ身体中にも熱が広がってく。


すぐに息が苦しくなって、ギュッと瑞月くんのブラウスを握る。


瑞月くんのキスは


甘いときと

優しいときと

強引なときと


どれか。


今は強引なとき。

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