独占欲全開なモテ男子と、幼なじみ以上になっちゃいました。
ぜんぶ準備ができて部屋に戻ってみれば。
「……ひよ遅い。心配したじゃん、全然戻ってこないから」
なんでか電気もつけないまま。
でも、奥のほうの大きな窓から入ってくる月明かりのおかげで、完全に真っ暗ではない。
「あっ、ごめんね。幸花ちゃんといろいろ話してたら遅くなっちゃって」
慌てて瑞月くんがいるほうへ駆け寄ってみたら。
瑞月くんもわたしと同じように旅館の浴衣を着てた。
まだ髪が完全に乾いていないのか、しっとり濡れていていつもより色っぽい。
「……俺の相手する時間、減ったじゃん」
「へ?」
気づいたら瑞月くんの腕の中にすっぽりおさまってる。
2人っきり。
邪魔も入らない。
静まり返った空間。
近すぎる距離。
こんなの何も意識しないほうが難しくて。
「……俺が満足するまで相手して」
強引に唇が塞がれた。