独占欲全開なモテ男子と、幼なじみ以上になっちゃいました。
実際は瑞月くんが1人になりたいからって理由で外に出て、わたしが無理やりついてきてるだけなんだけども。
外は真っ暗だけど、今日は月がとても綺麗でその明かりだけで周りが照らされるほど。
チラッと横目で瑞月くんを見れば、綺麗すぎるくらいの横顔が映る。
ほんとになんとでもない瞬間。
なんでかわからないけど。
あぁやっぱり、わたしは瑞月くんのことが好きで仕方ないんだって、あらためて思ってしまった。
それと同時に、ゆっくり瑞月くんがわたしのほうに目線を向けた。
波の音だけが聞こえる2人っきりの空間。
真っ暗の闇の中で、わたしたちを照らしてくれるのは星と月だけ。
雰囲気だけが妙に先に走ってるような。
「……こーやってさ、昔ひよと2人で抜け出したことあったよね」
たぶん、かなり幼い頃のこと。
家族ぐるみでこうやって旅行とかキャンプとかによく行って、両親に内緒で瑞月くんと2人で夜に抜け出したこともあったっけ。