独占欲全開なモテ男子と、幼なじみ以上になっちゃいました。



何年も口にできなかったことが、ほんとにあっさり口からこぼれた。


あまりにも唐突に、何も考えずに言ってしまったことに自分がいちばんびっくりしてる。



たぶん、いろいろもどかしさが募ったせい。


仮で付き合ってるだけなのに、甘いこと言ったり抱きしめたりキスしたり触れてきたり。


なのに、瑞月くんは好きって言ってくれない。

それにちょっと前に言ってた、好きな子がいるって。


その子とはどうなってるのとか。

やっぱり、わたしはいつまでも幼なじみを越えられないままなのかなとか。



だんだん瑞月くんの気持ちが読めなくなってきた。

同時に、複雑な気持ちを抱え込むようになったせい。



「……陽依」

「っ……、」


答えを聞かせてくれない瑞月くんが

いちばんずるい……。

< 253 / 394 >

この作品をシェア

pagetop