独占欲全開なモテ男子と、幼なじみ以上になっちゃいました。



何も言わずにそっと唇が重なった。


さっきみたいな甘いキスじゃなくて、ほんとにわずかに触れるだけのキス。


まるで答え……気持ちを隠すみたいな。

きっと、瑞月くんは返事をしてくれない……直感でそう思ったの。


それは見事に的中して。


月明かりの下で照らされた瑞月くんの表情は悲しそうな、思い詰めたようだった。



やっぱり、わたしが好きなんて言ったのが迷惑だったのかな……。


おとなしく幼なじみとしてそばにいたらよかったのに、欲張ったのがいけなかったのかな。



「みつく……っ、」


あぁ、また。

名前を呼んだら唇を塞がれた。

まるでそれ以上喋らないでって態度で示されてるみたいで。


勝手に悲しくなってくる。


こんなキスで黙らせるようなことする瑞月くんはずるい、ほんとにずるい……っ。


嫌いならはっきり振ってくれたらいいのに。

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