独占欲全開なモテ男子と、幼なじみ以上になっちゃいました。



あっという間に瑞月くんの腕の中。


「はぁ……、あぶな」


耳元で聞こえてくる、あきらかに早い心臓の鼓動。

これは、わたしのじゃなくて瑞月くんの音。


わたしの身体を抱き止める腕も、少しだけど震えてるような気がする。



そりゃ、そっか。

目の前で人が倒れそうになれば誰だって焦るよね。



きっと、わたしだから心配そうにしてくれてるんじゃないって思っちゃうわたしの心はひねくれてる。



「もう……大丈夫……だから」


いつまでもそんな優しく抱きしめないで。

わたしバカだからまた期待しちゃうから。


瑞月くんの身体を強く押し返したら、それに抵抗することなくスッと離れた。



ほんの少しだけ、いつもの瑞月くんと違うような気がするのは、気のせい……?


今も何かを思い出すように、思い詰めたような顔をしてるから。


いつもの瑞月くんらしくない。

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