独占欲全開なモテ男子と、幼なじみ以上になっちゃいました。
「わたし、先に部屋に戻るね」
告白したことも、キスしたことも。
ぜんぶ無かったことにできたらいいのに……なんて思いながら瑞月くんに背を向ける。
1人で戻ろうとしたのに失敗。
さっきひねった足がものすごく痛い。
よく見たらひねっただけじゃなくて、岩で少し足を切ってしまったみたいで。
少し血が出てる。
「……ひよ、待って。足ケガしてる」
あっけなく気づかれちゃうし。
足だって痛いけど、それよりもっと胸のほうが痛いんだよ……?
瑞月くんが、はっきり気持ちを伝えてくれたら、それでぜんぶおわることなのに。
「だ、大丈夫だから……っ。これくらい、1人で歩けるし、旅館まで戻れるから」
「……ぜったいダメ。俺が連れてくから乗って」
そう言って、わたしの前にきて背中を向けてくる。
「いい……っ。1人で帰れる……っ」
「ダメ。そんなの俺が許さない」
「み、瑞月くんにはカンケーな……」
「陽依」
「っ、」
「お願いだから俺の言うこと聞いて」