独占欲全開なモテ男子と、幼なじみ以上になっちゃいました。
「それは前までの話ね。今は陽依ちゃんじゃないとダメみたい。自分でもここまで陽依ちゃんに惚れ込んでるからびっくりしてるよ」
「えぇ……っ」
まさかこんなかたちで先輩から告白されるなんてびっくりを通り越しちゃってるよ。
「陽依ちゃんの天然で鈍感なところも。いちいち可愛い反応するところも、守ってあげたくなる可愛さも。ぜんぶ僕のものになったらいいのにって本気で思ってるよ」
そのまま頬にキスをしてきた。
唇をうまいこと外して。
「幼なじみクンより僕を選べば苦しい気持ちなんかなくなるよ。ってか、僕がそんなのなくしてあげるから」
たしかに、もう瑞月くんと結ばれることはないから新しい恋に進まなきゃいけないのかもしれない。
でも、わたしの気持ちはおかしい。
月希先輩がこんなふうに普段見せない姿で想いを伝えてくれているのに、わたしの気持ちはいつまでも瑞月くんに向いたまま。
全然揺らがない。