独占欲全開なモテ男子と、幼なじみ以上になっちゃいました。
「陽依はこのことを覚えてないでしょ?」
「え……」
ぜんぶを知ってるお母さんは、わたしがこのことを覚えていないことまでわかってしまうなんて。
「まあ、覚えてないのは仕方ないことなのよ」
「仕方ない、こと?」
まだまだ話の流れがつかめそうにない。
そして、お母さんがまた話を元に戻して続けた。
「陽依がね、星を見るのを楽しみにしてたのを知ってたのは瑞月くんもでね。陽依が瑞月くんに毎日のように言ってたらしいの。瑞月くんと綺麗なお星様見るのすごく楽しみって」
どうして、その瑞月くんとの会話すらも思い出せないんだろう。
ここまでいろいろと話を聞いているのに、断片的にすらも思い出せないなんて。
「ここから話すことは、陽依も瑞月くんも何も悪くないことだから、あまり重く受け止めないようにしてね」
「うん」