強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。
神風くんは人気者
今日から高校1年生の二学期が始まる。
1ヶ月近くあった夏休みなんてあっという間だった。
勉強自体は嫌いではないから授業が始まることに関しては全く問題ない。
確かに将来絶対使わないだろうと思う教科なんてたくさんあるけれど、わからない問題が解けた瞬間とか新しいことを知った時は楽しいなんて思うこともある。
ただひとつわたしには問題がある。
それは人と話すのが苦手なこと。
自分の思ったことを素直に話せない。
おまけに重度の人見知り。
友達なんて片手で数えられる程度。
なんて寂しいんだろう。
「夏休みは楽しんだか?楽しんだって奴はもちろん宿題もバッチリだよな」
そう教卓の前で面白おかしく話すのはわたしたちの担任。
他のクラスからの評判を聞く限り、この先生のクラスは当たりらしい。
ここ数ヶ月を振り返ってみても確かにそうだなと思える。
先生の授業はわかりやすい、かつ、楽しいし。
「おぉ、楽しそうでいいなぁ!……んで、突然だが紹介したい奴がいる」
先生の話でどっと盛りあがったところで、話が切り替わる。
「もしかして、転校生?」
クラスでも比較的目立つ女の子が食い気味にそう問いかける。
「当たり!入ってきていいぞー」
先生の声を合図にガラッと教室の前のドアが開かれる。
それと同時に入ってきた転校生に、クラスの女の子たちの歓声が上がった。
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