強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。
「玲奈ちゃんは彼氏作らないの?」
「んー、今はいらないかな。まぁーそのうち恋の一つや二つできたらいいんじゃん?」
「そっか」
玲奈ちゃんだってとても可愛くて、彼氏も居そうなのに。
「友達と遊んでる方が楽しいじゃん?」
わたしの場合は友達も全然いないんだけど……
そんな本心は苦笑いで誤魔化した。
「そういえば澪のクラスに転校生来たんだって?」
噂っていうのは広まるのが本当に早い。
しかもあんなイケメンなら尚更。
「どうだった?」
「うーん、確かにイケメンだったよ。わたしには眩しすぎて近づけないような人」
「あははっ、なーんだそれ」
遠い目をするわたしに玲奈ちゃんは笑っていた。
「なんだかんだ澪と転校生くんが仲良しだって噂もあるよ?」
「え、そんなことも流れてるの?」
それは予想外だった。
神風くんが必要以上に近づいてくるからだよ。
ただでさえみんなわたしのことをよく思ってないに、さらに印象が悪くなっちゃうじゃん。
「澪のこと無口とかなんとかみんな言うけど、ただ人見知りなだけなのにね。誰と仲良くしようがいいじゃん?」
サラッとそんなことが言えちゃう玲奈ちゃんをわたしは尊敬してるよ。
玲奈ちゃんみたいな子にわたしもなりたかった。