強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。
「いや、特に。 随分勉強熱心だなって思っただけ」
せっかく聞いたのに、返事は特にないなんて。
それなら話しかけないで欲しい。
「明日テストだから」
「ふぅーん」
興味のなさそうな神風くんは、相変わらず授業もサボりがちだし、珍しく授業に出ているかと思えば居眠りしていたり……
勉強している様子がまるでない。
まぁ、神風くんがどんな成績を取ろうとわたしには関係ないし。
それはいいんだけど、わたしが勉強できないから早くそこからいなくなって欲しい。
「あの……」
また口を開いたタイミングでちょうど次の授業の先生が教室に入ってきて、神風くんは退屈そうに隣の席へと戻って行った。
あーあ、神風くんのせいで貴重な勉強時間が削られてしまった。
深いため息をつきながら隣を見ると、まだ授業が始まったばかりだというのに寝息を立てて机に伏せている神風くんの姿がある。
随分と余裕だなぁ。
前髪の隙間から見える長いまつ毛。
舞さんが毎朝セットしてくれてるのかわからないふわふわの髪の毛。
───触りたい。
……って、今わたし何を。
ブンブンと頭を振って、自分でも意味のわからない感情を吹き飛ばして無心で板書を続けた。