強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。
───それから1週間後。
無事にテストは終わり、とうとう返却されるテストも残り1教科。
ちょうど難しいと言われていた担任の先生が担当する数学のテスト。
確かに応用問題が多めだった気がするけれど、基礎になる公式を覚えていれば言うほど難しくは感じなかった。
計算間違いを考慮しても、80点以上は確実に取れている自信がある。
一人一人名前を呼ばれて、先生のいる教卓の前まで取りに行く。
「七瀬ー」
後半辺りで自分の名前が呼ばれて、受け取りに行った。
「さすが七瀬だな。 クラスでトップの点数だ」
先生がそう言うと、クラスで「すごい」「さすが」と声が上がる。
そんな声とともに視線が注がれて、すごく居心地が悪い。
わざわざみんなの前でそんなこと言わなくていいのに。
集まる視線から逃げるように自分の席へと戻り、深呼吸をして気持ちを落ち着かせた。