強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。
「その代わり、サボったら許さないから」
「もちろん。 これで交換条件成立ね」
そう言った神風くんは、人が変わったようにシャープペンシルを持ってノートにスラスラと問題を解いていく。
……神風くん、やればできる人なのでは?
ただの面倒くさがりやなだけで。
そう思うほど問題を解くペースは落ちなくて、あっという間にテストの問題を全て解き終えてしまった。
「はい、澪。 採点して?」
シャープペンシルを置いて、ノートをわたしに向けて置く。
「……きれい」
「え、何?」
「ううん、なんでもない」
思わず声に出てしまうほど綺麗な字。
ぐちゃぐちゃになりやすい途中式もとても読みやすい。
男の子って字が汚いと思い込んでいたから。
ましてや面倒くさがりやの神風くんだったし。
予想外でびっくりしてしまった。
「早く採点してよ」
「わ、わかったから!」
せっかく見直してたのに……
はぁとため息をついて、赤ペンを持ち、採点を始めた。