強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。
丸、まる……これも、まる。
もしかして、間違いはひとつも。
「……ない」
神風くんが解いた問題は全て正解。
なんで?
どうしてこんなにできるのに赤点で追試なんか。
「どうした?」
頭の中がハテナだらけで固まるわたしに問いかける神風くん。
「ねぇ、数学の解答用紙みせて?」
「はい」
神風くんはすんなり見せてくれて、それを見てわたしはまた言葉を失う。
だって、その解答用紙はほぼ白紙だったから。
どうりで問題用紙も綺麗すぎると思った。
ちゃんと解いていたら、式だったりメモだったりなにか残っているはずだから。
「なんでこんなにちゃんと解けるのにやらなかったの?」
「ふふっ、今日の澪は質問ばかりだね。 単に面倒くさかったから、じゃダメ?」
そんなに質問攻めにしていただろうか?
……確かにいつもより話していたのかもしれない。
神風くんはムカつくし、苦手だけど、話しやすい。
どこか落ち着く自分がいる。
こんな感覚は玲奈ちゃん以来かもしれない。