強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。
「……ちゃんと、やった方がいいと思うよ」
「澪がそう言うなら、頑張るかな」
「べ、別にわたしは神風くんの成績がどうなろうと関係ないけどっ!」
自分のペースを掻き乱されてるようで、自分が知らない気持ちを掘り起こされそうで。
そんなモヤモヤを打ち消すように、ノートを神風くんに叩き返す。
「ん、ありがと」
神風くんは、返されたノートをカバンの中にしまう。
いつの間にか机の上は、綺麗に片付いて。
「帰るよ、澪」
もう外は夕日でオレンジ色に染っていて、グラウンドでやっていた部活も後片付けを始めていた。
「うん」
───って、
なんで当たり前のように一緒に帰っているんだろう。
なんの疑問も感じないまま、神風くんと一緒に歩いていた学校からの帰り道。
気がつけば、もうわたしの家は目の前にあった。
「送ってくれてありがとう」
なんだかんだ家まで送り届けてくれた神風くん。
まだ真っ暗じゃないし、そんなに遠い距離でもないから1人でも大丈夫だったけど。
「ん、じゃーまた明日」
ヒラヒラと手を振って背中を向けた。