強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。
結局、神風くんの追試に向けての勉強会はこの間の1回きり。
ついに今日は神風くんが追試を受ける日だ。
多分、教室でちょうど今やっているはず。
わたしは、結果が気になって帰るに帰れずにいた。
生徒玄関で待っていると、思ったよりも早く神風くんの姿が見えた。
「あれ、澪じゃん。 まだいたんだ」
わたしの姿に気がついたのか、先に声をかけられた。
気だるそうにカバンを持ちながら近づいてくる、神風くん。
「その……結果が気になって」
「へぇ、俺の成績はどうでもいいって言ってたのにね」
「それはっ……」
そんな心配はしていない。
きっと神風くんが本気を出せば、満点なんて簡単に取れてしまうと思うから。
それよりも気になるのは……
「あぁ、約束のこと?」
図星をつかれて、わたしはなんと言っていいかわからず、俯いた。