強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。
「ごめん、ありがと」
無事に読み終えて席についてから、小さな声で神風くんにお礼を伝える。
「やっぱり澪、ヘン」
「……え?」
「せんせー」
わたしが聞き返すと同時に、神風くんが手を上げて先生を呼んだ。
「どうした?」
「七瀬さんが体調悪そうなんで保健室連れていきます」
「えっ、ちょっ……!」
体調なんかどこも悪くない。
ちょっと胸が苦しいだけ。
「そうだったのか。辛いのに当ててすまなかった。神風、連れてってやれ」
「はーい」
わたしだけ置いてけぼりで、話だけが進んでいく。
「ほら、行くよ澪」
「えっ、えっ……」
持っていたシャープペンシルを置かれて、強制的に腕を引かれて立たされる。
そしてそのまま連れていかれて、神風くんの暴走を止める間もなく連れてこられてしまった保健室……ではなく、誰もいない静かな屋上。