強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。



一度教室に寄って、すぐにまた教室を出る。


神風くんと一緒に出ていったはずなのに、わたしが1人で戻ってきたから、クラスメイトの数人は不思議な顔をしていたけれど気にしている暇はない。


神風くんが戻ってきてしまう前に早く行かないと。



「……あれ?」



学校の裏庭にあるベンチ。


そこにはもう先客がいて、本当は約束なんてしていないはずの玲奈ちゃんが座っていた。



「あ、澪ー!」



玲奈ちゃんもわたしの姿に気がついて、ベンチから大きく手を振っていた。



「どうしたの?」


「んー? そろそろ愛しの澪ちゃんがわたしのことを呼んでいると思って」



玲奈ちゃんとはたまにこうしてお弁当を一緒に食べるけれど、わたしより先に裏庭に来ていることは珍しい。


不思議に思って問いかけたら、そんな返事が返ってきた。



「ふふっ、何それっ」



あまりにもおちゃらけて言うから、おかしくて笑ってしまった。






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