強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。
「大丈夫、わたしは澪のこと応援してるから。 なんかあったら、わたしが神風のことぶん殴ってやるんだから」
そう言って、玲奈ちゃんは拳を空に掲げて笑っていた。
それにつられてわたしも笑ってしまう。
「さすがにぶん殴るはやりすぎだよ、玲奈ちゃん」
玲奈ちゃんが友達でよかった。
少しモヤモヤしていた気持ちが楽になった。
「うん、頑張ってみる」
「うんうん、その調子だよ、澪っ」
玲奈ちゃんと2人で、顔を合わせて笑い合う。
「あっ、大変! もうすぐ昼休み終わっちゃう」
「え、もうそんな時間?」
玲奈ちゃんに言われて時計を見ると、お昼休みは残りあと5分。
お弁当はまだ半分も残ってる。
早く食べなきゃと、急いで口の中へとかき込んだ。
こんなに前向きな気持ちになれたなんて、いつぶりだろう。
いつか、その時が来たら、神風くんに気持ちを伝えてみよう。
そのいつかが来るかどうかはわからないけれど。
一瞬でもそんな気持ちになれたのは、わたしの中ではすごく大きな出来事だった。