強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。
「なんでわたしに?」
キャーキャーと集まってくる女の子たちから逃げたということは、チヤホヤされるのは好きじゃない。
それにクラスでは本当の自分を隠してる。
未だにクラスに馴染めていないとはいえ、仮にもクラスメイトのわたしになぜ秘密にしてたことをバラしてしまったのか。
このまま隠すことだってできただろうに。
「澪はいいだろうと思って」
「……」
意味がわからない。
「他の奴みたいに俺に媚び売って来ないし、友達いなさそうだし。でもまぁ、バラさないでね。俺が一番過ごしやすいようにやってることだから」
それは女の子にチヤホヤされて、クラスの人気者であることが神風くんにとって都合がいいってこと?
……って、地味にわたし貶されてるよね。
「あ、誤解はしないでね。あれが嘘の俺ってわけじゃないし、ああやって振舞ってる方が楽しいってだけだから。単に必要以上に迫られて自由を奪われんのが嫌ってだけ」
わたしはいつもよくわからないって言われるけど、わたしからしたら神風くんはもっとよくわからない。