強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。
神風くんのことが大好きです
合唱コンクール明け。
わたしと神風くんは、昨日付き合うことになった。
……たぶん。
そんなに自信が無いのは、実感が全然ないから。
あの後は、いつも通り家まで送り届けてくれて、いつものように神風くんの背中を見送って帰っただけ。
あれから神風くんと顔を合わせるのも話すのも、今日が初めてになる。
昨日と一昨日がちょうど土日で、学校も休みだったのがよかった。
自分の中で気持ちを落ち着かせることができたから。
「おはよう、澪」
「わぁっ!……お、おはよう神風くん」
後ろから不意に現れて、頭をポンポンと撫でてくる。
神風くんって、そんなキャラでしたっけ?
気持ちを落ち着かせたといえども、"彼氏"になった神風くんに耐性はまだない。
神風くんの変わりように驚きつつも、胸がドキドキとうるさくて落ち着かない。
「呼び方、違うでしょ」
「ゆ、唯斗くん……」
正解と言いたげに、また頭を撫でられた。