強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。



実際のところ、教室に行くのはちょっぴり怖かった。


わたしたちが付き合ったことをみんなは認めてくれないんじゃないかって。


前にわたしと唯斗くんは釣り合わないって言われたこともあったから余計に。


でも、そんな心配は全くなかった。


教室に入った途端みんなは祝福ムードで、すれ違うたびに「おめでとう」と声をかけてくれた。



「よかったね」



わたしが不安になっていたことを知っていたのか、唯斗くんがそう言った。


それにこくんと頷いて、笑ってみせる。



「……っ」



その時に唯斗くんがほんの少し頬を赤らめた気がしたけれど、すぐに顔をそらされてしまってそれはわからなかった。



「……あ、教科書忘れた。 ねぇ、澪見せて?」



早速忘れ物?

朝一の授業から忘れ物だなんて……


そうあきれつつも、机をくっつけて真ん中に教科書を置いて見せてあげる。


あんなに唯斗くんの隣の席は嫌だと思っていたのに、今では良かったと思ってしまう。


だって、他の女の子とこんなに近くにいる唯斗くんを考えると胸が痛くなるから。





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