強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。
「……えっ」
せっかく教科書を見せてあげているというのに、気がつけば机に伏して寝ている唯斗くん。
まだ朝だよ?
さすがに眠くなるには早すぎじゃない?
「ちょっと、唯斗くん! 起きてよっ」
教科書を読みながら解説をする先生に気が付かれないよう、小声で唯斗くんを起こす。
軽く揺するくらいじゃビクともしなくて、先生に気づかれるんじゃないかというくらい、大きく肩を揺らした。
「んん、なに澪……」
「何じゃないよ! 今授業中だよ?」
眠そうに瞼を開ける唯斗くんに、わたしは必死に声をかける。
この授業の先生、怒ると怖いんだから。
ただでさえ教科書を忘れて、机をくっつけている時点で目立ってしまっているのに……
何としても先生に見つかる前に起こしたい。
「ほら、お願いだから」
そう言うと、むくんと起き上がった唯斗くん。