強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。
「別に、頼んでないから」
頼んで友達になるってそもそも違うと思うし。
……って、友達がいないわたしが言えることじゃないか。
「素直に言えばいいのに。可愛くないね、澪チャン」
さっきまでの笑顔は消えて、不敵な笑みを浮かべながらわたしの名前を呼ぶ。
普段、"ちゃん"なんてつけてわたしのこと呼ばないのに。
なんかその笑顔の裏に何かがある気がして。
神風くんはやっぱりよくわからない。
わたしが立ち尽くしていると、神風くんは立ち上がった。
「これ、ありがとね」
ひらりとプリントをわたしに見せて、神風くんは「じゃーね」と行ってしまった。
また今日も置いていかれた。
本当に自由な人。
どうしたらあんなに性格が悪くなるんだろう。
友達が作れるなら、とっくにたくさん作ってるよ。
神風くんにバカにされないくらいたくさん。
一つ一つがなんか鼻につくというか……ムカつく。
早く席替えをしたい。
いや、いっその事クラス替えをして欲しい。
そう思うくらいまた明日会うのが憂鬱だった。