強引なキミに振り回された結果、恋に落ちてしまいました。
そんな嫌な明日も必ず来てしまうもので……
「宿題提出してください」
教卓の前に立って、昨日出された宿題のプリントを回収する。
わたしに頼まないで次の授業で先生が回収したらいいのに。
そう思うけれど、先生は予め採点をして授業の時に返したいらしい。
いいんだけど、正直面倒くさい。
クラスメイトとは仲良いわけではないけれど、わたしのことを無視することはなく、呼びかければちゃんと反応してくれる。
カバンから取り出してすぐに持ってくる人もいれば、「もう少し待って!」と必死に友達のプリントを写している人もいる。
早く先生に渡しに行きたいんだけどなぁ。
朝はあまり時間が無いし、遅くなると1時間目の授業に遅れてしまう。
提出をする人の流れが止まってから、全員提出しているかプリントの枚数を数える。
「あと3枚足りない……」
残り2枚は今も必死にプリントを写している2人の分。
あと1枚は……わたしの記憶の限り、まだ提出していないのは神風くん。
神風くんだけ、まだわたしのところまで来ていない。
これはわたしから声をかけないといけないやつ?
あまり話したくはないのに。
はぁ、と大きなため息をついてから仕方なく神風くんの席へと向かった。